映画『オオカミ少女と黒王子』感想(ネタバレ) 二階堂ふみかわいい、山崎賢人かっこいい……だけじゃない!
「どうせ、10代20代の女の子をターゲットにした、軽〜い映画でしょ?」と、あなどってはいけません! 映画『オオカミ少女と黒王子』は大人も充分に楽しめる、少年少女たちの成長を描いたラブストーリーなのです。
あらすじ
高校1年生の篠原エリカ(二階堂ふみ)は、一度も恋愛経験もないのに友達に見栄を張り、彼氏がいるフリをしている。だが、友達に彼氏の存在を疑われた彼女は、街で見かけたイケメンを盗撮して「彼氏だ」とごまかす。しかしそのイケメンは同じ学校の佐田恭也(山崎賢人)だった。恭也に事情を話すと「彼氏のフリをしてやるから、俺の言うことを聞け」と言われ……。
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二階堂ふみはかわいすぎ、山崎賢人はかっこよすぎ
二階堂ふみ、山崎賢人、この二人のキャストのファンはまず大満足できるでしょう。二階堂演じるエリカは、ごく普通の女の子として誰でも共感できるように、山崎演じる恭也は憧れの存在として、とても魅力的に描かれています。
作り手も「二階堂ふみと山崎賢人の映画だ」と強く意識しているようで、二人を「かわいく」「かっこよく」撮ろうとしているのが伝わってきました。アップも多めです。二階堂ふみファンの僕、町田も大変満足でございました。ちなみに彼女は劇中の衣装を監督と共に自分で選んだそうです。
近くで観ていた20代くらいの女子は山崎賢人くんの初登場シーンで「かっこいい……」と思わず脳内の声が口からもれていました。微笑ましいですね。余談ですが、エリカの友人・三ちゃん役で門脇麦が出演しているのを観て、「ミニシアター系映画常連の二人の並びをこんなメジャー映画で観るなんて……」となんだか感慨深いものがありました。
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単なる胸キュンラブストーリーじゃない!
ここまで主演の二人の魅力をお伝えしましたが、もちろんそれだけではありません。本作は恋愛を軸にして「自分に自信の持てない少女がいかに変わっていくか」という成長物語になっていて、そこに胸を打たれるのです。エリカのまっすぐな気持ちを受け、恭也もまた変わっていきます。ただ「胸キュンしたわ〜」という映画にとどまってはいません。
監督は廣木隆一。『さよなら歌舞伎町』(2014)のようなミニシアター系作品から、『ストロボ・エッジ』(2015)のようなメジャー作品まで幅広く撮っている人です。62歳でこんなにみずみずしい青春ものを撮れるんだから、すごいですよね。
本作では長回しをしたり、街の背景をたくさん入れたりといった廣木監督っぽいところが随所に見られます。エリカが小沢健二の「今夜はブギーバック」を歌うシーンや(これいつまで続くんだ? と思った)、渋谷でゲリラ撮影をしたというエリカが恭也を盗撮するシーンはすごく生っぽくて良かったですね。
まとめ
ということで、公開初日に観てきました。劇場はホントに10代20代の女子ばかりでしたが(完全なアウェー感)、幅広い層が楽しめる映画だと思います。おすすめです!(町田広尾)
※山崎賢人の崎は立つ崎(たつさき)が正式表記です。
オオカミ少女と黒王子(2016)
監督 廣木隆一
原作 八田鮎子
主題歌 back number「僕の名前を」
出演 二階堂ふみ/山崎賢人/鈴木伸之/門脇麦/横浜流星/池田エライザ/玉城ティナ/吉沢亮/菜々緒
©八田鮎子/集英社 ©2016 映画「オオカミ少女と黒王子」製作委員会
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